暑い季節となりました。この季節を健康に乗り切るため、熱中症の予防のためにも十分な水分補給はとても重要なことです。夏場の水分補給と言えば、口当たりの良いさっぱりとした炭酸飲料・ジュース、汗をかいた体への栄養補給にスポーツドリンクを選ぶことも多いのではないでしょうか。しかし、これらの飲料の飲みすぎでのどがますますかわいたり、具合を悪くしたりする「ペットボトル症候群」を起こす恐れがあります。
◆ペットボトル症候群とは
別名「清涼飲料水(ソフトドリンク)ケトーシス」と言われ、糖分が含まれている甘い清涼飲料水を大量に飲むことで、血糖値が急激に高くなり、糖尿病が悪化したような状態になってしまうことを言います。著しい喉の渇き、多量の尿、倦怠感(体がだるい)、腹痛、嘔気などの症状が現れ、ひどくなると意識が低下し、昏睡状態に陥ることもあります。糖尿病と診断されていなくても突然発症することもあります。
“清涼飲料水を飲む→血糖値上昇→喉が渇く→清涼飲料水を飲む→高血糖”
の悪循環によって引き起こされます。
目安として、大人が一か月以上毎日1.5リットル以上甘い飲み物を飲んだ場合に「ペットボトル症候群」が起きる事が報告されています。
体重の軽い子どもの場合、より少ない量でも起こる可能性があります。
一般的なスポーツドリンク500ミリリットルの中には約30~40g(約大さじ3~4)の糖が含まれているので、運動中に飲む場合は水で半分に薄めることをすすめています。
◆上手な水分補給をしましょう!!!
水分補給は糖分が含まれない水・お茶(カフェインが含まれない麦茶など)を主にこまめに!!
甘い飲み物はあくまで味を楽しむための嗜好品で水分補給には向いていません。
コーヒー・紅茶などのカフェインが含まれる飲料、アルコールも利尿作用があるため水分補給には適しません。
近年ではスポーツドリンク・炭酸飲料でも無糖、糖分の少ないものが多くなっています。購入時にパッケージに記載の栄養成分表示を参考にして選びましょう。
糖分控えめの水分補給で暑い夏を乗り切りましょう!!!
(天谷調理製菓専門学校 管理栄養士 吉田明日香)